UKPとは
兵庫パルプは、未漂白のクラフトパルプ(UKP)生産を主力事業としています。UKPとは、木材チップ(破片)を苛性ソーダ等の化学薬品で蒸煮して樹脂(リグニン)を溶かしセルロース等の繊維を取り出したもので、原料(木材)と最終製品(紙)の中間にあたります。
UKPの原料は、その多くが製材所などから出る残材や木造住宅の解体廃材です。従来であれば廃棄・焼却されてきた資源であり、まさに循環型社会形成の一翼を担う事業と言えます。
兵庫パルプはUKP市販メーカーとして国内トップ唯一、アジア市場に於いてもトップ3に入る業界有数の企業です。
段ボール分野では古紙の再利用が進んでいますが、古紙パルプはバージンパルプに比べ強度が低下します。
そのため段ボール表面に貼られる外装ライナーのうち、高品質が求められる製品には、UKPが用いられ強度を補強しています。兵庫パルプが生産するUKPの半分以上は、段ボール原紙用として活用されています。
段ボール
UKPを配合した建材は、軽量で加工性に優れ、防火性や遮音性が高いといった数々の特長があります。
兵庫パルプのUKPは、外装用サイディングボードや屋根材などの建築材料にも使われ、アスベスト代替材として注目されています。
サイディングボード
電柱などに取り付けられている変圧器(トランス)の内部には、絶縁材としてUKPが使われています。
異物が混入する恐れの少ないUKPの特性を活かし、絶縁紙や板状のプレスボードの形状に加工されて用いられています。
変圧器
自然な木肌の色調を有するUKPは、その特長を活かし、さまざまな用途で活用されています。
例えば煙草のフィルター部分に巻かれるライスペーパーやあぶらとり紙、清掃用ワイパー、紙ひもなど、生活の身近な場所でもUKPが活躍しています。
清掃用ワイパー